↓下に行くほど新しくなります。
| 5月よりこのコラムのページで埼玉県比企郡鳩山町にて行われた住宅再生のドキュメントをお送りしています 題して 「賢い住まい 再生住宅物語 鳩山編」 前半部分 工事着工までの目次をご紹介します @ テレビの人気リフォーム番組「ビフォア・アフター」 A 再生住宅はそこまでやりますか? B 住まいの常識は資産作り? C 住まいを無理なく手に入れる。 D 半値・八掛け・二割引 E 私たちの超わがままな希望を条件に物件を探そうよ・・・ F 帯に短し、たすきに長し G テレビ番組ではあるまいし、こんな家があるのか・・・・・絶句 H わがまま条件の交渉成立 I 既存建物調査開始。 J 解体開始 ぞくぞく現れる驚愕の実情 K 解体現場の見学会 L 再生プランと予算の設定にかかる。 工事着工以降も続きます。お楽しみに・・・ |
| 解体現場の見学会 2004/8/2 | |
あまりにもひどい既存家屋の構造を見て、この団地には同じような時期に建築された建物が多くあり、同じような被害あっている人もいるのではないか。 解体された建物が、どんな状態なのか現場見学会をやってみようという話が持ち上がったのです。 新築途中の現場見学会や、完成現場見学会は私たちも含めて多くの建築業者は広告を打って開いています。 しかし、解体現場での見学会など見たことも聞いたこともありません。 対象になりそうな住宅に絞り込んでポスティングを手分けして実施してみました。 土曜日曜の現場見学会には近所の人もあわせて17組の来場があったのですが、ほとんどの人は、あらかじめ告知していたものの建物の状況を見て驚かれたようです。 ![]() シロアリに完全に食荒らされた梁材 「シロアリの被害はこんなにもひどいものなのか」 「使っている柱が細いんだね」 「我が家も同じぐらい古いけど大丈夫かな」などの意見が多かったのです。 近所に住むというお年寄りが、一週間ほど前に突然リフォーム業者が尋ねてきて、床下を点検して湿っているので床下が腐るといって換気扇を取り付けた場合の見積もりを持ってきた。 「いったいどのくらいの見積もりだったのですか?」 「4ケ所で84万、消費税込みといってました。 近いうちにその返事をしなくてはいけない」 「折角ですから私どもでも検査してみますか? 勿論、簡単な検査ですから費用は頂戴しません」 「見てもらうかな」 その家は、築28年というが、再生物件と比べると比較にならないほどきれいにしていて、こまめに増改築もされている。 まったく手入れをしていない住宅が、普通はこれらの業者のターゲットと思う人が多いが実際は、このように外部から見ても手入れをしている住宅ほど狙われやすいのだ。 ○○ソーラーという会社が訪問販売で問題になったことがあるが、これらの設備をとり付けた家は、それこそ訪問販売業者にとってはおいしいお客。 よく、テレビでカモになりそうな住宅に業者だけが知っているマーキングがあると紹介されていました。 どこにそんなものが着いているのかなど、家の人が知らないまま次々と訪問セールスが訪ねてくるわけで、屋根の上のパネルは訪問販売で取り付けた証になっているのです。高額物件を訪問販売で購入したわけですから、リフォーム業者にとってこんなによいお客はありませんね。 今回の検査の結果、よく手入れをされていて換気扇など取り付ける意味はまったくありませんでした。 「問題ありませんよ。業者には断ったほうがいいと思います」 「もし、なにかを言われたら、取り付けるときは知人の業者に頼むことにしたといえば 多くはあきらめます。」 後日、その方からは断った旨、現場にわざわざ知らせに見えました。 別に、正しいビジネスをしているのであれば同業者の邪魔をするつもりは、まったくないのですが時によると、???と思うリフォームが多いのも事実です。 現場見学会で、当社としての成果は「少しはお役に立てた」という結果に終わりました。 L 再生プランと予算の設定にかかる につづく・・・ |
| 再生プランと予算の設定にかかる わがままな施主? 2004/8/7 |
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当社のチーフ設計士は、一級建築士でデザイナーの辻さん。 「辻さんも調査に立ち会ってくださいよ」 「いままでのように全面的に外観をかえるのではなく、もとの形を少しでもとどめた設計にしてください」 「建築確認申請は新築ではなく、あくまでも増改築ということで申請することです。そして予算は、建物本体としては40坪で1000万程度で収めること」 「会長、建物本体の範囲は新築住宅と同様に考えてよろしいですか?」 「そうだね、新築と比べる必要もあるから同じ条件として設定しよう。ただ、一番進んでいる住宅のレベルが条件だよ」 「断熱や気密・耐震性・可変性・・・・・スケルトン・インフィル、そして最新の設備、そうだ!オール電化までやってみてください」 「というと、暖房は床暖房ですか?」 「どうせ基礎もやり直すかもしれないから蓄熱温水床暖房はやりたいな!」 「そこまでやって1000万ですか、きついですね」 「まだまだ、わがままな要望を言うかもしれないけど・・・」 「もちろん、こだわりの健康住宅の仕様は絶対はずせないよ」 言うほうはいろいろ注文をつけるもの。 でも、予算の制限がある中でやることが工夫にもつながるわけで結構最終的には収まるものですが。今回ははたしてどうなるものやら・・・・・ 本体工事以外の費用として 見ている予算は660万から700万
土地の購入費用は大雑把だが1050万と見ると、建物費用は1000万プラス700万と消費税分85万をたして2835万である。 最大5%程度の幅は覚悟しておくことで計画を進めることにした。 これはあくまでも、会社で言う外部支払いだけの実行原価、本来原価に含まれるべき現場管理の費用や交通費、設計料や申請費などのかかる費用は見ていない。 新築住宅の場合、40坪の住宅を建替えて新規に建築する場合これだけの住宅を作れば、すべてを含めると2600万は最低かかるだろうから、本当の原価で考えると新築並ということになる。・・・それはそうだ。 建前はともかく、今回の場合、基礎も柱もすべてのものが新築と同じことになってしまったのだから同じ費用がかかって当然です。 そういうことから考えると、少しでも安くよい住宅に再生しようと考えた場合、既存の構造などがどれだけ再利用できるかが鍵になります。 まずは、外観を極端に変えない、車庫はもう一台分とりたいので北西の角を減坪します。そして東側を1、2階とも増築することにしました。 基本の考え方をまとめることから設計計画がスタートします。 施主は私、設計はやりにくいと思うけどある意味では、理解は早い。 無理は言うけど、予算を絞り込んでいるため妥協点も明確にできるはず。 「辻さん、絶対条件の整理をしてみましょう」 家を作るときはあれもこれもと夢がいっぱい膨らむものです。しかし、予算や敷地の条件、法律問題など制限を受けることになりますが、これらの条件が明確であればあるほど建築計画はむしろ楽だともいえます。 何をしてもよい、どんな計画もOKなどといわれたら反対に内容を絞れなくなり難しくなってしまいます。設計担当者に、一定の条件をわかりやすく伝えることがよい住宅を作るために必要だと考えていますが、いかがでしょうか。 今回は、私が施主です。 再生住宅としての予算は伝えました。 健康住宅のこだわりも当然理解しています。 そして、構造をはじめ住宅性能については最先端のレベルにすることになっています。これから先は、基本的な外観や間取りの設定ということでしょうか。 彼に伝えたのは、 ・ 車庫スペースを玄関先に一台分つくる ・ 外観は基本的に大きく変更はしないが、デザイナーズ住宅として魅力あるものに ・ 1階が個室、2階をリビングと日常の水周りをつくり、 ・ 主婦の台所仕事が快適になるように外の景色をとりいれる ・ キッチンは収納を充実し色やデザインを考慮する ・ オール電化住宅であること ・ 住む人の家族構成に合わせ自由に変化させることができるスケルトンインフィルに ・ 2階が生活中心になるため、階段は緩やかにする ・ 新しい提案の自然素材を採用する ・ 外部または庭に収納スペースを確保する そのほかにも、プランニングの段階でハウスキットを作ることなど、施主としてなにかと細かい注文をつけていました。 それから・・・・・・ 「会長、まだほかにも注文があるのですか?」 「予算が許せばの話だけど、「ウッドデッキと外部のフェンスはサイブレス」にしたい」 「サイブレスは使ったことがないのですが、どんな材料ですか?」 「シロアリに強く腐りにくいといわれるオーストラリアの材木ですよ」 「どこから、購入したらいいのかわからないのですか?」 「まずは、インターネットで検索してみてください」 「ついでに玄関のポイントとして壁の仕上げに使うといいと思うけど」 これは、結果的に会社の取引先業者から現場に搬入することになりました。 計画案は、何度となく練り直し最終的なつめをすることになります。 「会長、外部ですが屋根はガルバリウムで、外壁は通気工法にしてモルタル仕上げにしたいと考えています」 「スッキリしたデザインにできますか?」 「大丈夫です。それにあわせて玄関のアプローチはタイルをやめて玉石の洗い出しとしたいのです」 「玄関アプローチは特注で手すりをつけ、自転車を上げるスロープも設置します」 「いいけど、予算は大丈夫なのかね」 「5%までの予算オーバーは覚悟してもらいたいのですが、いかがでしょうか?」 「最初から予算オーバーを前提にするわけにはいかないが、納得できる内容であれば了解しますよ」 ![]() 計画初期段階の図面より 1階平面図、北側立面図 与えられた予算の範囲内で、最高の住宅を作りたいと考えるのが本当の設計士です。 それでなくとも工事中には、施主自身が「あれもこれも」と欲が出てくるもので予算が増加してしまう場合が多いのです。 今回は、私が施主と同じような立場に立っているということでしょうか。 プランも決定し、工事の段取りを組むことになりました 14. 再生住宅の見積り につづく・・・ |
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| 再生住宅の見積り 2004/8/20 | |
解体の結果、 既存家屋の材料はほとんど使うことができないことがわかりました。 それでも、既存の基礎は内部に基礎工事をして補強金物で接続することや使える梁は一部サイズを直しながら利用することを前提にして見積もり作業を開始しました。 顧客に提出する工事見積書には記入する、現場管理費用、設計費用の原価を除き、あわせて最終の会社経費も計上しない実行予算の見積書の作成です。 この現場では、再利用可能なのは、かろうじて基礎工事の一部でしかなかったため、新築住宅用の見積書の作成に近くなるのですが、既存基礎と新たに作る基礎工事との接続補強金物などの捕捉材が必要になります。 最終図面と仕上げ表をもとに、数量の拾いをして実行原価が確定します。 ここで、設計の辻君から仕上げについての要望がありました。 「会長、内部のイメージを都心にある高級マンションでイメージしているためドア枠や窓枠、幅木などをいつも使っているパイン材ではなくしたいのですがどうでしょうか」 「塗装仕上げを、一段とよくするにはタモの集成材を使おうと思います」 ![]() 「タモの集成材は、階段や台所のカウンター、家具などに使う高い材料だよ」 「それに、さまざまな加工をするにはあまりにも硬い材だと思うし、大工も大変だけでなく加工に要する費用も何倍もかかるはずだ」 「たしかに価格も高いし加工にも時間がかかりますが、仕上がったときのイメージは これしかありません」 「わかった。これで当初の予算が守れなくなる可能性はあるが、業者から見積もりを 取り寄せてみた上で、決定します」 標準の設備などを一応選択して仕上げ表を作成したがこれからも追加になることを予測させるのには十分な会話であった。 出来上がりのイメージをはっきりと持っている設計士、それもカラーやデザインに対してこだわりを持っている以上当然のことだ。 イメージは辻君に任せて、私は健康や快適な温熱環境、そして将来に対して十分耐えられる可変空間の追求をテーマにしていた。基本的な部分だけに、辻君よりもむしろ私のテーマの追求のほうが大きな費用が必要になる。 健康な住まい、耐久性、耐震性は当然として、あわせてシロアリ対策、床暖房、オール電化などもやらなければならない。 「会長、ここまでやってしまうと将来売却するのにやり難くなりますよ」 「周辺の中古住宅相場や新築建売の価格から見ても3000万以上になったら難しいのではないでしょうか?」 「建売や、中古住宅を基準に考えたら確かに難しいね」 「でも、古い家を新築40坪以上に建替えた場合、総額として最低2500万はかかりますし、建売では30坪程度の住宅で住まいとしては最低の広さでしかありません、土地の広さも60坪あるのは少ないはずです。購入しやすい価格ということで考えると、それは安いに越した人はないのですが、私としては、まず売ることを考えないで納得いく再生工事をやりたいと思います」 「結果として、これを購入する人が当社にとって損金の発生しない価格で買えればと考えた場合、今回はそれこそ裸の原価でよいと考えています」 「現場管理の人件費や交通費、設計費用などは赤字になったとしてもそれはそれで仕方がないと覚悟しましょう」 「それと大事なことですが、工事業者に特別な価格をお願いしないことです」 「モデルハウスというと、業者は赤字工事を覚悟することが一般的です。しかし、過去にもモデルハウスの建設で特別単価をお願いしたことは一度もありません。長くよい取引を続けるためにも守りたいと思いますので、留意しておいてください」 詳細見積もりを作る作業は、3日ほどかかったが大体予定した金額になっていた。ただ、やはり問題なのは大工工事の金額が一般の新築住宅よりかかりそうなことだ。 いつもより、余分に設定したのだが追加は覚悟したほうがいいかもしれない。 モデルハウスということで、社内からもいろいろな意見が出てきた。 とくに、主婦である女性のスタッフは「キッチンの設備はもちろんカラーと収納を充実したほうがいい」という。 「どんな色がいいか、ドアのカラーサンプルから選んでください」というとエンジ色の華やかな色を選び、キッチンカウンターは広々とした対面型の人造大理石がいいという。 同じ材料で、カップボードまで選びこれなら主婦が楽しく台所作業ができるはずという。それから・・・・・食堂側にも収納を同じ色でつけたらもっといい。 辻君は、ブルーのキッチンをイメージしていたらしく大胆な色使いにびっくり。しかし、本人にとっても納得できる色であったためかその意見を採用することになりました。 そして予算は何倍にも膨らんだのです。 ![]() 松下設備システム 集いフィット こうなったら私も意見を出したい。 「収納スペースを充実したいと思うけど、できますか?」 「家庭でもろもろと使う日常の収納は最終的に間取りを確定させるお客様が決めたらいいとして、外に大きな物置を作ってください」 「材料はなんとかするとして、作るのはあなた達です」 「それと、サイブレスを取り寄せますからウッドデッキも一緒に作りましょう」 今回の再生住宅は、購入した人が最終的な間取りを決めることができるように作ってあり、建売やマンションのように当たり前すぎる間取りなど最初から作るつもりはなかった。 次回より いよいよ鳩山再生住宅 「工事編」がスタートします |
| 2004年5月よりこのコラムのページで埼玉県比企郡鳩山町にて行われた住宅再生のドキュメントをお送りしています 「賢い住まい 再生住宅物語 鳩山編」 本日より後半の再生工事編がスタートです! 着工から再生完了までの目次をご紹介します 15. 再生工事開始 基礎から棟上 16. 屋根と外壁とサイプレス・・・? 17. 快適を求めて断熱・気密工事と冷暖房計画 18. ライフライン見えない工事 19. オール電化住宅 20. 住宅設備 21. プラン間取り 22. 色を使わないインテリアデザイン 23. 再生住宅の総括 どうぞ お楽しみに・・・ |
| 再生工事開始 基礎から上棟 2004/8/28 | |
何度とやり直し、再生住宅という新しい考え方に一番ふさわしいプランが出来上がった。 環境との調和を考えて建物の外部に使用する色は、最近のプロバンス風の家とまったく異なるモノトーンの地味な色を採用することにしました。 あえて流行に背を向けて、いつまでたっても飽きることのないグレーのモルタル吹き付け仕上げにサイブレスという木材を玄関周りに使用したものです。 間取りは、車庫の増設に伴い一部を縮小し、東側に一階二階とも増築。 まずは、基礎の増設と撤去にかかることにし、あわせて既存の基礎の内部に基礎工事をした上で、特殊な耐震補強で双方の基礎を連結します。 建物の内部には、防湿シートのうえに砕石を敷き詰めた上で鉄筋を配して蓄熱床暖房用の配管を行います。 さあ、いよいよ基礎の内部にコンクリートを流し、床下の完成です。 ![]() 左 防湿シートと床暖房温水配管 右 土間コンクリート打設作業 土台は古い住宅でもシロアリの被害の少なかった青森ヒバを採用し健康に影響の多いシロアリ消毒を床下からは排除したのです。 大引きは使わないですむように、剛床構造としてプラスチックの束を採用しています。 これによって、この建物に必要なシロアリ処理は建物の壁立ち上がり1mさえしてあげればすむことになります。 立ち上がりの部分は、これからシロアリ処理ができない部分なので注意して施工します。 基礎はガラスで作られたシロアリ被害にあわない「コリグラス」という断熱材、そして外断熱としてコンクリートで暖められた熱を逃がさないようにします。蓄熱コンクリートと床の下地合板の間は空間があり、計画換気の空気が床下を循環して建物内部全体にいきわたる計画です。 これによって床下は常に乾燥し、シロアリの生息できる条件をなくします。 さて、ここで柱などの構造材を組み込むことになるわけです。 新築はほとんどが、工場でプレカットされた構造になっていますが、再生住宅は現場で採寸しながら昔ながらの「刻み」が必要です。 国産杉の4寸の通し柱を7本と3.5寸が一本で主要構造柱を構成しています。 普通に比べて通し柱が多いのは、総二階と構造的に安定したプランであることにあわせて将来の間取り変更を容易にしたスケルトン・インフィルの計画に基づいています。 ところで、あなたはこんな疑問を持ちませんでしたか? 「こだわって造るのだったらヒノキのほうが杉よりもいいのではないか」 私も、あなたと同様にこの件を辻さんと棟梁に確認したのです。すると、 「会長、たった8本の通し柱を杉からヒノキに変更したところで見せる柱ではありませんからせいぜいあわせて3万と差額はありません」 「和室のないモダンな建物になりますので柱のほとんどは壁の中に隠れてしまいます。そして、柱としての圧縮強度はほとんど差がないのです。赤味の多い杉の強さは優れていますし、なによりもヒノキに比べて狂いや暴れが少ないのです」 「大工の棟梁の意見はどうですか?」 「棟梁もまったく同じ意見です」 「わかりました。それでは杉を使うことにしましょう」 というようなわけで、吟味された杉が通し柱として採用されることになり、管柱も3.5寸の杉柱が採用されています。 棟上してから、養生のためにしばらく置きたいという意見があり、屋根の仕上げが終わってから約1カ月の間は養生期間にしました。 使用した木材は、 土台 青森ヒバ 20本 通し柱 杉4寸 7本 3.5寸 1 本 管柱 杉3.5寸 93本 間柱 杉 550本 その他は、木材見積もりとして確認していただけるようにします。 一階と二階には健康に配慮した上で、ラーチ合板の下張りをしました。 特に二階は、柱や壁を極力排除し広々としたリビングダイニングキッチンを造るため、実に、28ミリもの分厚い合板を使っています。 これによって、一階の余分な梁を少なくして一階にもさまざまに変化対応できる空間が生まれてくるのです。 ゆがみを直し、ボルトやナットの増し締めを直角や水平を確認しながら構造の完成です。 筋交いを入れて、耐力壁を造るのが木造の一般的な工法ですが、よりいっそうの強さを求めて外壁に構造用合板を採用してあるのです。 このコストは正直大きな金額になりました。 ![]() ↑既存基礎と新しい土台を強力に緊結する耐震補強金物 ![]() 写真← 入替られた構造材 梁は既存のもの 写真→ 筋交と構造用合板で補強された耐力壁 16. 屋根と外壁とサイプレス・・・? につづく・・・ |
| 屋根と外壁とサイプレス・・・? 2004/9/5 | |
屋根は、瓦は重たいし、地震を考えると適切でない上、デザインとしても採用できない。コロニアルは安くてポピュラーではあるが、メンテナンスを考えるならばもっとよいものにしたい。 一番適した屋根材はガルバリウム鋼板。 この屋根材の価格は確かに高いが、デザイン・耐震耐久性に優れている一品です。 という理由があって、価格は我慢してガルバリウムを採用することにしたわけです。 再生住宅の現場を見た人の中には、「屋根はトタンなの、安い材料を使っている」なんてトンチンカンな人もいたようだけどもっと勉強してね。 再生現場の敷地は、北東の角地、周囲には樹木も多く自然が豊かなせいか、反面、湿度は多いような気がする。北東の窓からは雑木林とその先には、石坂ゴルフ場が見えている。 絶好のロケーションには違いはないが、この環境のマイナス部分も解決しなければ。建物のデザインイメージ上、外壁は、モルタル下地の吹きつけとして考えているが、それには外壁のコケやひび割れを少しでも少なくする工夫が必要と思われる。 この問題を解決するために、外壁にシロアリの処理をした通気用の胴縁を取り付けます。どんなに、杉材は暴れが少ないといっても、生き物です。 一定の動きは無視できませんし、この乾燥収縮は直接外壁の仕上げをすればクラックなどを引き起こしてしまいます。 ↓防水紙と通気胴縁 ![]() 構造材に胴縁を加えることによって、この影響を少なくすることができます。そして、外壁の内部に通気用の空間を作ることによって木材の湿気による影響を防ぎます。あとは、特殊なモルタル素材とコケを防止できる仕上げ材を採用すればよいのです。 見学に見えた方や、これからこの家の住人になる家族の人たちには見えない部分ですが、丈夫で長持ちするということだけでなく「新築を超えた再生住宅」というこのプロジェクトには欠かすことができません。 モノトーンの外部にデザインポイントとして取り上げたのは「サイプレスでつくられた羽目板とバルコニー・ウッドデッキ」です。 ここで、なぜ「サイプレス」という木材を採用したのかお話しましょう。 今回の現場は、悲惨なほどシロアリの被害にあっていたことはここまでお話したとおりです。当然再生現場に最初に要求されることは、シロアリ対策が一番になります。 かといって、シロアリ処理剤などを散布することは「健康住宅を造る」という当社の考え方に反します。 建物の外部に露出する木材についても木材そのものの優れた防蟻性能が要求されるのは当然です。外壁に使えて、なおかつバルコニーやウッドデッキとして使える優れた材料はとなると「オーストラリアンハードサイプレス」が一番適していたのです。 ![]() ↑サイプレス オーストラリア東海岸地方では、古くから床材、枠材、エクステリア、構造材などに幅広く使用されています。 台湾ヒノキやヒバ、米杉などと同様に、元来含んでいる天然成分がシロアリなどの害虫を寄せ付けません。 また、油分を多く含み、水に強いため防腐効果が高いのもこの木材の特徴です。 適材適所という言葉がありますが、サイプレスは外部に使用する木材としては抜群の性能を持った材料であることは間違いありません。 17. 快適を求めて断熱・気密工事と冷暖房計画 につづく・・・ |
| 快適を求めて 断熱・気密工事と冷暖房計画 2004/9/10 | |
快適に暮らす、この問題は家を持つ人の誰もが望むことではないでしょうか。 構造は丈夫だけど、デザインは好きだけど・・・ でも夏は暑いし冬は寒い家。 そんな住宅が、今でも新築住宅として建てられています。 何よりも住んでみなければわからないのが、この部分。 住んでみて初めてわかるのだから始末が悪い。 また、ほかの家の住み心地と比較することもできないものだから 「まーこんなものか」と思ってしまう。 このような家では、暖冷房にかかる費用ランニングコストも馬鹿にならない金額となっています。 「仕方がない、多少の住み難さは我慢しよう」 「毎月の生活費が大変だからね。こまめに消そう」なんて思うのです。 中には、「安いから」といって、新築住宅でありながら家の中で開放型の灯油ストーブを使う家があります。 世の中、オール電化の家も増えてきているというのに。なによりも、健康や安全面を考えるとやってはいけないことです。 新築住宅であれば簡単な(私たちにとっては、当たり前の工事)高断熱高気密ですが、再生となると実は一番大変な工事なのです。 考えてもみてください。 屋根裏や外壁の中に断熱材をしっかりと入れることを。 屋根裏はまだ何とかなりますが、壁の中というと外か内かのどちらかの壁をすべて壊さなければならないということ。 それは、ほとんどの場合内装を壊し、新たに作り直すことにつながります。まだ、外壁をすべて壊し、やり直したほうが安いし簡単かもしれません。 サッシは、古い家はアルミサッシのシングルガラス。 このままでは、断熱材をしっかりと入れても窓から熱は自由に出入りしてしまう。 その上、サッシサイズも昔の1.8メートルと今のサッシに比べると低い。 ね、簡単にはいかないと思いませんか? サイズはあきらめられるのであれば、ペアガラスにしてなおかつ内側を樹脂サッシに する方法もあります。 ![]() 結露のない断熱樹脂サッシ 潟Vャノン 床下は、下にもぐって断熱材を差し込めば「まー、なんとか」 それでも、気密までは取れませんが。 大きな工事と思われている、耐震補強のほうがよほど費用も時間もかからないのです。それだけ、高断熱高気密の快適な住宅に再生することは大変なことです。 しかし、大変ですが住宅の基本的な性能が優れていれば「小さなエネルギーで健康で快適な生活」が当たり前のように得られるのです。 そのためには、断熱材、窓などの外部建具をよく吟味して選ぶ必要があるのです。その上で、それに合わせた冷暖房計画を立てることがなによりも必要なことになります。 断熱・気密工事 基礎部分は、外部断熱材を巻き込み基礎からの余分な熱損失を防ぎます。 外壁と、屋根部分は現場発泡断熱材でグルリと建物を囲い込むことにしました。 蚕のような真っ白な糸を引きながら次々と外壁内部や小屋裏を包み込んでいきます。 工事の職人によるミスもなく安定した断熱効果をもたらしてくれるのです。 このように高性能な断熱工事はよほどの高級住宅でなければ採用しないでしょう。 価格も一般に使うグラスウールなどの断熱材に比べると大変大きな差額があります。しかし、経年劣化も少ない上、高気密までかなえてくれるのです。 壁体内での結露もなく、建物の長寿命を支えてくれるのですから、しっかりと採用することにしました。 ![]() 写真左 壁厚いっぱいに吹き付けられた断熱材 写真右 屋根裏に施工された断熱材 断熱のレベルは壁が約100ミリ・屋根は200から250ミリほどの吹き付け厚になります。この結果、断熱気密の性能は次世代の最高レベルになっています。 あとは、窓から入ったり出たりするエネルギーをコントロールすれば完璧です。 窓・外部建具 樹脂サッシと高断熱複層ガラスが冷暖房費を大幅に節約します。 框と枠は樹脂一体成型によって一般アルミサッシの約3倍という優れた断熱性能を持っています。 窓はガラスによっても性能に大きな違いが生じます。今回は、新築住宅で採用している「シャノンウインド」をすべての窓に採用してあります。 このメーカーのよいところはたくさんありますが、日本の生活に合わせてさまざまな窓を提供していることでしょう。 防火認定サッシもあり、曇りガラスなどにも対応できています。 一般的に近隣が接している日本の建築では、窓からプライバシーが脅かされる恐れがあります。こんなことが原因で、近所付き合いが気まずくなったら楽しい建物にならない恐れがあるわけで、曇りガラスの対応はうれしいものです。 気密性能・水密性能・耐風圧性能・そして遮音性能も優れています。 屋外からの音を遮断し、室内の音も漏らさないプライバシーに優れたサッシです。 計画換気 高気密住宅でしかできないことに計画換気があります。 気密が取れている住宅では計画換気によって家の空気が一年中新鮮に保たれるようになり、あえて窓を開ける必要はありません。 しかし、春とか秋などの気候のよいシーズンは思いっきり窓を開けて外気を取り入れていけばよいのです。 計画換気は、窓を開けてしまえば効果はありませんが、スイッチのオフはしないほうがよいと思います。スイッチを入れ忘れてしまうと計画換気の効果が得られないからですね。今回の換気システムは、床下から新鮮な空気を取り入れるようにしました。 ![]() 効果のひとつは、蓄熱されたコンクリートの熱を効率的に使うこと、そして建物の床下空間を乾燥状態にすることで耐久性を高めることができるからです。 地中の温度は一年を通じてほぼ15度程度といわれています。 夏は、この冷たい地熱を家の中に取り入れることができると考えています。 そのために絶対条件は、「有害なシロアリ消毒などの物質をこの床下に使わない」という必要があります。 18. ライフライン見えない工事 につづく・・・ |
| ライフライン 見えない工事 1 2004/9/23 | |
ステンレス配管 新築だけでなく今回の再生住宅でも、給水・給湯配管はステンレスを採用しています。 ステンレス配管配管は長期間使用することで、赤水の原因となる錆が発生し配管を詰まらせたりします。そして、エンビ管は環境ホルモンの心配があると指摘されています。 これも、他の配管に比べ高額ですが健康に配慮して採用しているわけです。造ってしまえば交換することはまずない工事で、住む人の目に触れることもありません。 見栄えだけを大切にする人には物足らないかもしれませんが、快適、健康に暮らす大切なことではないでしょうか。 あなたは、どのように思いますか。 この問題だけでなく、見えなくなりほとんどやり直すことのない大事な部分こそ住宅にとって一番費用もかかることが、お分かりになったでしょうか。 逆に言えば、建売などは見えるところに費用を多少多めに使えばいいのです。材料も・手間も・そして基本性能も考えてはいませんよ。 売れさえすればよいのだから、見えるところだけ少しだけ厚化粧するわけです。 大切なことだから、もう一度。 見える部分も大切には違いません。いらないなどとは、いいませんが 見える部分は、いつでも簡単に交換できるところです。 見えない部分は、やり直すことがないし、するとしたら見える部分の何十倍もの費用がかかることを理解してほしいのです。 L ライフライン 見えない工事2 につづく・・・ |