↓下に行くほど新しくなります。


今月よりこのコラムのページで埼玉県比企郡鳩山町にて行われた住宅再生のドキュメントをお送りいたします

題して 「賢い住まい 再生住宅物語 鳩山編」
前半部分 工事着工までの目次をご紹介します

@ テレビの人気リフォーム番組「ビフォア・アフター」
A 再生住宅はそこまでやりますか?
B 住まいの常識は資産作り?
C 住まいを無理なく手に入れる。
D 半値・八掛け・二割引
E 私たちの超わがままな希望を条件に物件を探そうよ・・・
F 帯に短し、たすきに長し
G テレビ番組ではあるまいし、こんな家があるのか・・・・・絶句
H わがまま条件の交渉成立
I 既存建物調査開始。
J 解体開始    ぞくぞく現れる驚愕の実情
K 解体現場の見学会
L 再生プランと予算の設定にかかる。

工事着工以降も続きます。お楽しみに・・・

テレビの人気リフォーム番組「ビフォア・アフター」 2004/5/7

この人気番組を見ていて感じたのは、改修前建物の使い勝手や住環境があまりにもひどいことです。こんな条件の住宅に人が住んでいることが不思議なほどで、よくこれまで生活できたものだと感心する家が対象となっていることです。

それを驚きの低予算で家が見違えるほどに変身し、涙涙の施主が登場するのです。

しかし、テレビだからといって「あまりにも視聴者を意識しすぎた劇場型の改築現場が多すぎる」と感じるのは私だけでしょうか・・・・・・・

建築のプロだからわかるが、これらの「ビフォア・アフター」では一番費用のかかる本質的な問題、断熱性能などの「住み心地」や耐震性能など「住まいの欠陥」は解決されていない。
解決どころか構造的には「むしろ改築したことによって悪くなっている」と思われる現場さえあるのです。

これは番組だけでなく、多くの増改築現場に共通することで、確かに以前に比べて狭い部屋が広くなり快適にもなっている反面、構造的にはむしろ弱くなっている例が多いのです。

それはそうです。
柱や壁を抜いて狭い部屋を広くするということは、適切な補強がされなかったら、柱や壁がなくなった分、以前より危ない建物に結果として改悪していることになります。

それはともかく、私も最初は興味深く面白く見ていましたが、次々とよくまあこんな条件の家を見つけてくるものだと感心するほど、普通では考えられないような劣悪住宅の大規模増改築のオンパレード。あまりにもバカバカしくなり最近は見ていませんが。

「住まいに関する報道」は欠陥住宅・リフォームなど多くなっていて、毎日というほど
テレビや新聞で見る機会が増えています。
その中でも「ビフォア・アフター」は欠陥住宅などの暗い内容ではなく、見る人にそれなりの夢を与えているのだと思います。

昼飯を本田社長とともにしながら、話題は当然のように「ビフォア・アフター」に、

「本田さん、ビフォア・アフターの内容をおかしいと思わない? 同業者はこんな予算で、放送しているけど経費どころか現場管理費用や設計費用も含まれていないはずだ、迷惑な話で、これでできたら自分も頼みたいほどの価格になっている。できるわけないと皆言っているよ。」

「会長、あたりまえじゃあないですか、テレビだから当然普通の条件ではないですよ。スポンサーの目的は、見込み客集め、集客コストからしたら工事が原価割れしていたって安いものですが、テレビに出てる業者に協力させ赤字にはしていないかもしれませんよ」


「受け狙いだからといって、見えるとこと主婦が喜びそうな収納をつけ、よそから持ってきた備品で飾る、おかしいとおもわないかい」


「確かに、テレビスタジオのセットを作る感覚に近いかもしれませんね。でも、これはこれでリフォームビジネスによい影響をもたらすと考えればいいのではないですか。」


「それでも、住み心地に一番大切な寒い暑いなどの対策はしていないじゃないか。これらは、耐震補強同様費用がかかる割には、映像としては伝わらないからな、でも、本田さんの言うとおり、リフォームに関心を持ってもらうだけプラスなのかもしれないね」・・・

A 再生住宅はそこまでやりますか? につづく・・・

再生住宅はそこまでやりますか?    2004/5/14

わが社の社長である本田さんは私と違っていつも冷静な見方ができる経営者。それ比べて私は、新しいものや人の手掛けてこなかったことを試行錯誤しながら現実化するのが誰よりも好きな性格、私のような考え方は理想が先行するので、ときには余分な摩擦も引き起こすのだが、彼がいてくれたおかげでこの問題は少なかった。
会社がかれこれ17年、それなりに継続しえた訳が実はここにあるようです。

「本田さん、でも私たちが現場で実際にやるべきことはもっと根本からの増改築、それこそ最先端の新築住宅同様の再生住宅でなければ価値がないのと違う? 耐震補強はもちろん、断熱工事、ま、一言で言えば今の新築住宅が持っているすべてを
再生住宅に持たせなければ意味がないじゃないの。」


「理想はそのとうりですが、それでは新築したのと同じ費用がかかりませんか?
だったら誰でも新築にしますよ」


「そうか、たしかに安くはできないかもしれないね。でも既存住宅の基礎や構造がかなり再利用可能だったら7割程度の予算でできるかもしれないけどな」

そもそも再生するだけの価値を持っている住まいかどうかは問題なのかもしれない。価値がないとしたら、そんな住まいに費用をかけようとは思わないだろうし、価値があったとしても、3割も安くできたと考えるか、3割しか違わないと考えるか、この辺が新築するか再生するか判断が迷うところです。

いずれにしても、大規模な増改築は何度か経験しているが「最先端の住宅性能を持つ再生住宅」は一度も手がけていないのだから、いったい予算はどうなのか私たちにも安くできるという確信はないのです。

「本田さん、こうなったら古くなった住宅を検査しながら再生してみたいな」

「会長、やるとするとお金も掛かるし、そもそも適当な物件が見つかりますかね」

「考えていもしょうがないから、築年数20〜30年の建物で住環境のよい適当な売り物件を探してみようよ」

食事時の「ビフォア・アフター」の話題から再生物件を探すことに話は飛んでしまった。

不思議とこういう話は、あっという間に伝わるもので社員や取引先は「また榎本の病気が始まった」と思ったことだろう。

今までも、どこよりも早く高断熱高気密と、セントラルヒーティングをワンセットにしてみたり、こだわりの健康住宅を作るため、ビニールクロスなどを全廃してきたから。

これらの取り組みは、既存業者との取引さえ一変させなければできないことなのです。社員たちからしてみると新築住宅を仕事にしている会社がなぜ今、「再生住宅なのか?」  理解できないのは当然の話です。

理解してもらうためには、「なぜ取り組むのか」背景を説明する必要がありました。

B 住まいの常識は資産作り? につづく・・・

住まいの常識は資産作り?      2004/5/22

「皆さんも知っての通り、日本の住宅寿命は先進国で一番短く、平均26年といわれています。この原因としては、過去に住宅の耐久性を無視して多くの家が作られてきたことと、時代の変化、家族の変化に対応できない家作りをしてきたことに多くの要因があります。」

「それではすべての建物が25年しか持たないのか、それ以上の寿命はないかといえばそんなことはありません」
「物理的な要因よりも、はるかに思い込みや、慣習が大きいとは思いませんか?」

「そもそも建物は資産ではなく、土地が資産と考えるものの見方を変えなければいけません、その上で必要に応じて的確な保守管理や改装工事をしていれば、今までの倍は長持ちするはずです」

「今、世の中では建築後15年したら、価値がゼロ。 価値がゼロになってしまうとしたら建物に余分な費用をかけてメンテナンスをしようとしないのは当然ですね」
「私たち自身も、このへんから考え方や行動を変えていかなければならないのかもしれません」

「日本全国では、実に世帯数を600万戸も上回る空き家が存在するといわれています」。これは、東京都全体の世帯数と同じ量です、恐ろしい数の空き家が存在しています」
「そして今後、人口も世帯数も減少する時代になります」

「そんな条件下でいつまで我が国の建築戸数が100万戸以上続くと思いますか?  私には、確かにバブルがはじけて不動産価格が安くなったとはいえ、そんなにいつまでも建築戸数が増えるとは思えないのです」

でも、現実には首都圏ではパワービルダーといわれる建売業者が大幅に建築戸数を伸ばし業績を上げ続けています。
アパート家賃並みの価格で新築住宅が、しかも頭金ゼロで手に入る時代です。

「余裕のある人は、土地つき新築住宅を購入すればいいのですが、恐ろしいことに安くなったからといって、本当に頭金ゼロで建売を買う人たちがいます。承知のように、これらの物件は買った時点で評価は60〜70%になってしまいます、これらの不動産は資産ではなく負債を作っているのです」

「よい例が、ここ10年以内に買った人たちを見てください。戸建、マンションも例外なく残債よりも、安い価格でしか処分できないではありませんか」 その差額は単純に負債でしかありません。

そして、あわせて恐ろしいのは住宅金融公庫の「ゆとりローン」同様の悲劇が予想されることです。
金利は今が最低であることを、本当に理解している人がどれほどいるのでしょう。借り入れ期間中、金利は今の何倍にもなったとしたら・・・・・・・・・・・

C 住まいを無理なく手に入れる。 につづく・・・

住まいを無理なく手に入れる      2004/5/28

「住宅金融公庫のゆとりローンでは当初の返済額を大幅に圧縮して、借り入れをしやすくしたのですが返済をあと送りしたわけですから、10年もしないで返済不能な元利金額を払わされることになり、ローン破産が増大しましたね。」

現在のローン金利は、史上最低です。少なくとも借り入れ期間中こんな金利が続くことは考えられません。
その結果は、多くの人がゆとりローンと変わらない問題に直面します。

昔は、給与も毎年上がっていくことが当たり前の時代でした。
「しかし今は一般的に勤めている人の給料が上がっていくと、どれだけの人が確信を持って言えるでしょうか?」

「私は、今後日本はヨーロッパ同様に成熟した社会になっていくと考えています」
このような時代の変化は、高度成長期には、正しかった行動がこれからの時代には間違えた行動になってしまいます。

そして、建築会社も時代の変化に合わせて変わる必要があります。
たしかに、いまいま大きく変化することはできないのですが、少なくとも時代の流れや今後の変化は予測可能です。
だとしたら「今からその準備をしておく必要がある」と思いませんか?

日本が新築住宅中心から既存住宅の流通中心になってこそ、本当に購入した人にとっても売る人にとっても資産価値のある住宅の必要性が認識されるのです。

こんなの、欧米では「常識」なのですが、日本ではただ一言「中古住宅」ということでとらえられているのです。

たしかに、信頼される検査システムも必要ですし、保証問題、ローンの問題などなど解決されなければならない問題が山積みですね。
だからこそ会社としては「既存住宅の再生」とあわせて「検査の仕組み」「流通システム」に取り組む必要があります。

時間はかかるでしょうが、当社が培ってきた「先進の住宅性能」「こだわりの健康住宅」を取り入れた再生住宅を作ってみたいのです。

今年中には、適当な物件を購入し、詳細に検査確認しながら再生住宅を作りたいと思っています。再生住宅は、購入者にとっても売却する人にとってもプラスになる必要があります。

愛着を持って手入れをしてきた住宅であればこそ、それぞれの事情で手放すとしても次の所有者に大切に使ってほしいと思うのは人情です。
購入した人も、大切に手入れをされてきた家であれば、予算に合わせて無理せず改修していけばいいことになります。
土地値が変わらないとしたら、大衆車一台分で広い我が家が手に入りますよ。



D 半値・八掛け・二割引 につづく・・・