↓下に行くほど新しくなります。
| 建築廃材と不法投棄・・・(1) 2003/6/1 |
| 日本では、年間に4億トン以上の産業廃棄物が発生しています。そして年々増加傾向にあり、2010年には高度成長期に建てられた建築物が更新期を迎えることから建設廃材の排出量が現在の約4倍に達すると予測されているのです。 一般家庭や事業所などから排出される廃棄物は、まず、焼却場や中間処理施設に運ばれて環境を破壊しないように無害化されたり、容量を減らす処理や再利用できる資源を含んでいる場合は選別、回収が行われています。 わかりやすく言うと産業廃棄物の8割は焼却や再利用処理されているのです。しかし、残った2割、8000万トンは再利用も、焼却も出来ず埋め立てられているのが実情なのです。 問題は、埋め立てゴミの中で建設により排出されたものが、4割もあることです。つまり、私たち建設業は一年間に3200万トンもの、燃やすことも再利用も出来ないゴミを出しているのです。 現在の分別解体は、ミンチ解体と異なり手間も時間も掛かる作業、その結果、廃棄物の処理費用も住宅解体費も高くなってしまったのです。 悪徳業者は、解体費用を安くするために、免許のない解体業者に依頼することで解決しようとするため、不法投棄が後を絶たない結果になっています。 一年間での産業廃棄物の不法投棄はわかっているだけで1273件、そして年々増え続けているのです。これら不法投棄の50〜85%が建築廃材だと言われているのです。 でもそれ以外に、廃棄物の扱いはされていませんが、建設に関して発生した残土があるのです。不法投棄される場所は人里離れた山間部が多く、キャンプ場やハイキングを楽しむ場所のすぐ近くで不法投棄された建設廃棄物が山のようになっていたりします。 廃棄物は、タダ汚い、環境を破壊するだけでなく廃棄物から溶出する有害物質は水質・土壌を汚染し、川などの水路を伝わってやがては農作物や漁業にまで汚染を広げていきます。ゴミ問題は、地球の温暖化を招くだけでなく、深刻な身近の環境問題となりつつあります。 すでに、国内の廃棄物処分場は限界にきています。本当にもう捨てる場所がないのです。2010年問題を解決するためにも、建設廃材を抑制し、その上で再利用を積極的に推進していく社会、その中でも特に住宅建設においてこそ循環型システムへの転換が必要になっているのです。 現在新築住宅においては「長持ちする家」を造る必要が理解されつつあるようですが、残念なことに「相も変わらずロークオリティ・低価格」の家が造られてもいます。目の前にある現実として、認識されることのないゴミ問題はこれら新築住宅だけを問題としては、解決できないのです。 |
| 解体してゴミにする負債になる家 思い出を継承する資産になる家 2003/6/8 |
| 日本ほど個人住宅の建て替えが盛んな国も少ない。車でどんな地域を走っていても 古くなった住まいを建て替えている光景にぶつかる。 確かに、「使えないほど古くなってしまったために、やむを得ず建て替え」という場合もあるだろうが、多くの場合、まだまだ古いとはいえない住まいを建て替えている。一般的に26〜30年で日本の住宅は建て替えされているが、どうしてこんなに早く建て替えるという常識ができあがってしまったのだろうか。建築業者として顧客と向き合い真剣に住宅を造る立場から考えて、あまりに短すぎる住宅寿命と思うのは私だけなのだろうか。 前々から問題と言われているのが、「内容の割に高額」と言われている日本の建築工事。多額の負担をしてやっと建てた住宅が、「たった26〜30年の寿命」と新築時に思った人はいないはず。しかし、あれから○○年経過した今、あなたは建て替えを考えているとしたら、不景気だ、給与が下がったといわれながらも世界的には豊かな所得を得ているにもかかわらずいっこうに豊かさを実感できない理由がここにある。 かたや、欧米のように自分の世代はおろか3世代以上もその家に住み続けることが当然の人たちと、自分の世代に二度も建て替えている私たち日本人との住まいに消費する金額の差は莫大なものになり、収入に比例した豊かさを実感できないでいる。 この不景気、日本ではリストラや給与や賞与の減額、社会保障費や税金の負担が増える中 もう一度、住まいについて見直す必要がある気がする。 新築住宅を専門に手がけている立場で、こんなことをいうと自分の首を絞めることになるかもしれないが、なにも十分に使える住宅まで解体してゴミにすることはない。ゴミになるのは家だけではなく、そこで過ごしてきた大切な家族の歴史や思い出迄もが失われてしまうのではないだろうか。 今は、大人になった子供たちかもしれないが、一度その家の思い出を聞いてみてほしい。そこにはきっと親の想像以上に「子供の時の思い出とそこで育った住まい」について楽しげに語る姿を目にすることだろう。そして子供たちと一緒に過ごしたいろいろな出来事を大人のあなたも、思い出すことが出来るはず。 それでは、あなたが子供の時代に過ごした思い出の家は今、どうなっていますか。 三十年以上前に過ごした家だとすると、ほとんどといって良いほどその思い出の家は、すでに解体され新しい住まいに変わっているはずだと思う。新しくなった住宅にあなたは愛着を感じることが出来ますか。 きっと、愛着のかけらも感じることは出来ないでしょう。そんなことを繰り返さないためにも、建て替えを決定する前に、一度は家族や兄弟の共通の大切な財産、そして絆の家を大切に守り、育てることができるか検討してみる価値がある。 どんなに検討しても、ダメであればそのときこそ、30年で壊されることのない価値のある住宅を建ててほしい。そしてこれからは住まいを育ててみてはどうだろうか。そう「家を育てる」そんな考え方があっても良いと思う。 よく、こんな質問を受けることがある。 「榎本さん、お宅で建てる住宅はどのくらい長持ちしますか?」 私は「、○○さんとご家族が望む限り長持ちします」とお答えている。 家は、そこに住む人が愛着を持って必要な手入れや、時代や経過年数にあわせて手を加えることで現在の住宅寿命を大幅に伸ばすことが出来る。不動産業者は建物の価値は十年、銀行は十五年、国は二十五年しか見ないという。金銭的に莫大な負担をして家族の希望の住まいがたったのこれだけ。 しかし、あなた自身も新築住宅だと実感している期間は、たったの三年。どんなにがんばって家を建てても、それだけしか新築としての賞味期限はない。 たったの三年の満足のために残り三十二年ローンを払い続けることになる。 挙げ句の果ては、ローン支払い満了の前に建て替えることになってしまい、一生住宅費のローン支払いを家族で継承しながら続けるのが、一般的な姿になっている。 いつになったら、本当に豊かな生活が出来るの。出来るわけ無い。今までにはなかった、住まいを再生し育てるという考えなしでは。 しかし、すべての住まいが再生できるわけではない。残念なことですが、軟弱地盤に建ててしまった既存住宅は地盤改良なしには長く安心して住み続けることが出来ないから。それ以外の、問題の多くは解決可能です。 間取りが使いにくいので変えたい。 設備の交換をしたい。 外観を和風から洋風にしたい。 冬寒く、夏は眠れないほど暑い住まいを快適にしたい。 地震が心配なので、構造の補強をしてほしい。 バリアフリーにして、使い勝手よくしたい。 収納を増やしたい。 二世帯住宅に改造したい。 その他、いろいろ現在の住まいについての不安や不満があるでしょう。なにも、建て替えまでしなくとも、これらのすべてを解決可能です。そして、初めて家を持とうとしている人に一言。 新築住宅は、資産になるよりも、むしろ購入したとたん大きな負債になっている現実があります。「頭金ゼロ、家賃並みの返済で」とかいう広告をよく目にしますが、気をつけましょうね。あなたは、新築とはいえども一度他人名義となった住宅を当初売られた価格で買いますか。 絶対無いでしょう。いくらなら、そんな家を買うでしょうか。3割安、4割安、多くの場合頭金として用意した金額を捨てても負債の方が多いのが現実です。資産にするはずの住まいが、大きな負債を造ってしまいます。 建て売りは、リスクです。むしろ、価値がないとされている中古住宅を購入して自分の好きなように無理をせず計画をたてて、再生し育ててみてはどうですか?もともと、建物の価値はほとんど無かったのですから、リスクも無いですね。 「日本の常識は世界の非常識」 実は、住宅の購入についてこそ間違いなくいえることです。それでも、これから建て替えや新築をというのであれば3世代、住み続けることが可能な住宅に高いけど、質の悪い家はあるけれど、安くて良い家はありません。目先の金額ではなく、ライフデザインを考えた長く住み続けることが出来る住まいを建てて下さい。 |
| 夢のマイホームが人生のスゴロクだったのに 2003/6/13 |
| 私は団塊の世代生まれで、右肩上がりの日本の復興と成長を身をもって体験してきました。私たちは、子供から大人、現在の熟年そしてこれから高齢化と年齢を重ねるたびに日本の教育や経済などに大きな影響を与えてきましたし、これからも与え続けていくことでしょう。 では住まいに関しては、どうだったのでしょうか。 今の二十代から三十代の男女の結婚しない現象や晩婚化そして家から出ようとしないパラサイトシングルといわれる人たちと違って、私の両親も含めて豊かな住宅環境に暮らしていた家族経験を持つ人は少ないのではないでしょうか。 住まいのスゴロクは 方 → 荘 → 号 → 字 → 丁 だった。 私の両親は、今で言う3Kのアパート暮らし。その中に、長男の私を始め次男、長女の五人家族が肩を寄せ合うようにして過ごしていたため、早く独立して住まいを持ちたいと思う気持ちが強かったのです。 早く自由になりたい。門限などというものはなかった家庭だったが、何よりも好きに過ごせる環境にやたらとあこがれを持っていた。 「生活はどうするんだ」そんなことを私の親は言ってもくれなかったが、縁あって巡り会った女性との結婚を機に、家を出て最初に住んだのが、渋谷のNHKの近くにあった丸山方。 お年寄りの人の良い大家さんが一階に住み、二階に四畳半に本当に小さなキッチンがついた賃貸の部屋が二つと共通のトイレの住まいだった。ままごとをしているみたいに若い二人の希望と夢に見た生活がスタートしたのだ。トイレはあったが、お風呂は渋谷という繁華街にも銭湯があり、家内と二人、ちょうどはやっていた「神田川」を聞きながら銭湯通いが始まった。 今では、ほとんどそんな条件はないかもしれないが、当時は「子供が出来たら退室してください」といわれ入居一年にして次の住まいを探すようになってしまった。若い夫婦、子供が出来るのは当然なのに、入居者よりも大家の方が強かった時代である。 当然、そのころの私たちの夢はというと、多少通勤に不便でも土地付きの家を持つこと。それには、まだまだ人生の双六を進めなければならない。 とにもかくにも子供もOKという条件のアパートを至急手配しなければ子供は待ってはくれない。贅沢なんか言ってはいられない、家賃の安いアパートを高井戸で探し、生まれたばかりの長男と家族3人が過ごすことになった。店舗併用アパートで名前は忘れたが、真下がラーメン店。一年中、ラーメンの臭いと信じられないほどのゴキブリと一緒の生活が始まったのだ。 外出から帰って、家のドアを開けたとたん、ゴキブリが蜘蛛の子を散らしたように家具や建具の中に隠れていく。今なら、とっても我慢できなかった環境で家族3人とゴキブリとの共同生活だった。 初節句の時には、気温も暑かったのだろうが、毎日 火を使うラーメン屋さんの真上の部屋、5月もはじめというのに浴衣姿の私と真っ裸で兜をかぶった長男でお祝いだ。 またしても、もっと不便で遠くとも良いから、子育ての環境の良い住まいがほしいと切実に思ったものです。当時、公団住宅は。家賃が安いし、環境は整っているし、なによりも私たちにとってはあこがれの住まい。入居希望者が多く抽選倍率が高く当たることは奇跡のようなものだった。 何度も申し込んでは外れたので、あきらめかけたとき埼玉県春日部の武里団地の2DKの入居が決まった。 方、荘、号まで絵に描いたような当時の住宅変遷だったのだ。後は、「少しでも資金を貯めて自宅」という夢が残っている。 ところが、次男がおなかにというときに失業。 貯金は勿論、住宅どころではない羽目に陥った。二十七才にして無職。やっと探したのが、当時発展途上のプレハブ会社Mホームの埼玉子会社。次男の誕生予定日が3月末だったので生まれてからの入社を希望して、4月1日にしてもらったのだが予定日を過ぎても生まれない。とうとう、入社日を迎え病院に妻を残して出社したらなんとその日に生まれたのだ。だから、次男は4月1日エープリルフールで学年の最後になったことを小学校入学の時に知ることになる。 家に強いあこがれを持っていた私は、住宅のことなど全く素人だったが、とにかく情熱を込めて仕事をした。 この業界は、昔も今も月に一棟、一年で12棟契約すればトップセールスマンといわれた時代、本当に運も良かったのだろう、入社して一年で62棟の契約をいただくことが出来たのだ。全国のトップセールスマンに待っていたのは転勤の辞令。埼玉県の東部、春日部とは遠く離れた、西部の所沢への転勤命令。 長男が、やっとの事で幼稚園に入ったというのに、団地の生活を楽しんでいるまもなく、会社の所有する戸建て中古社宅に入居、幼稚園は空き待ちでなかなか入ることが出来ない。おまけに団地とは比べものにならない社宅の環境は、今まで以上に脱出の決意を固めさせることになった。 とはいっても私はまだ29才、新築住宅は高嶺の花。 探す対象は、遠いが庭付きの中古の中古住宅か近くの中古マンション。中古マンションは小学生になった長男の学区も変わらない適当な物件ではあったのだが、高層階のため高所恐怖症に近い私がダメ。もちろん子供たちの夢であった可愛い犬も飼えない。 やっぱり中古でも庭付き一戸建てしかない。 願えばかなうもの、タイミング良く蔵造りで有名な「小江戸川越」の一番はずれの田舎だけど築三年の中古住宅を紹介され価格も広さも気に入り買うことにしたのです。 これで双六の川越市大字○○に到着しました。 バブルの始まる少し前だったが当時は毎年住宅価格は上昇し、資産としての価値を高めていった。ただ問題が一つ。その中古住宅はライバルメーカーの建物だったことです。 ライバルの家の住み心地を体でもって体験できた貴重な経験でしたが、いつのまにかライバルメーカーから「私が住んでいることから自社の住宅がいかに優れているか」といった内容でお客様に伝えられるようになってしまい、改めて新築注文住宅を建てるために土地探しが始まることになる。 幸いにして、その住宅を高く処分して念願の新築マイホームを手に入れたのだが、それが、子供たちのシックハウスに原因となるとは思いもしなかったのです。 念願のマイホーム。夢に見た新しい生活が始まるはずだったのだが、入居してしばらくすると原因不明の症状が子供たちに発生したのです。 病気など寄り付くことはないほど元気いっぱいだった次男は、体全体にジンマシン。叩いたりすれば、たちまち「プックリ」ふくれてしまう。病院に行っても原因不明で、先生は「卵の含まれたものは食べないで下さい」といい、注射と薬をくれるが治らない。接着剤で造られたシックハウスになりやすい構造であり、内装仕上げは新建材だらけ。その上、気密性能は高い家となると・・・・それは「病気になる家」だったのです。 小学校高学年の長男は、花粉症と同じ症状が一年中続くことになる。中古の住宅ではなかったことが、新築住宅で起きる。勿論当時は、シックハウスなんて知識はなかったため住まいが原因などとは考えもしなかった。 今も、その家に住み続けてすでに18年、子供たちにとっては苦しいことや楽しいことも含めた思い出がたくさん詰まった家ではあるものの残念なことに時代に合わせて、育っていく家とはいえない。なぜならば、本当にやりたいリフォームがほとんど出来ない構造になっているためです。住まいは家族とともに変化し育つとともに最低限、家族の健康と財産を守ってこそ本物の住まい。 住まいの双六は上がりまでもう一歩のところにきている今日この頃です。 |
| 築10年で評価のつかない不動産市場 循環しない日本の住宅 2003/6/16 |
| 新築住宅は毎年前年より少ない建築戸数になっています。景気や少子高齢化の影響がありそうですが、世界的に考えると人口や世帯数対比で見ると日本は先進国の中で新築戸数の多い国です。 人口や世帯数が増えない中で、多くの新築住宅が建てられていると言うことは古くなった住宅が使われないまま空き家になっていくわけで、すでに東京都の全世帯数に匹敵する600万戸ともいわれる住宅が全国で余っていて、これからも毎年増え続けていくと言われています。 新築住宅が120万戸に比べて中古住宅の流通は15〜16万戸。アメリカでは中古住宅は450万戸以上と新築の2.5〜3倍の流通があります。 同じ島国のイギリスはというと、新築20万戸に対して中古住宅の流通は100万戸にも上る。 有り余るほどの中古住宅は、今後解体されゴミになる運命が待っていてこのままでは大きな環境問題に発展していく可能性が高い。所沢で発生した解体消却が原因のダイオキシン問題は、原因の多くが新建材をはじめとした住宅処分が原因であったのです。 日本は景気対策として新築住宅が利用されてきたわけで、中でも住宅金融公庫の果たした役割はとても大きかったが時代の流れか金融公庫も縮小されている。新築住宅対してあまりにも偏った住宅政策の変換を国としても もっと積極的に推し進めなければならない時代です。 そのためには、もっとオープンで一般にもわかりやすい中古住宅の流通市場と適正な評価システムの確立が必要となります。 アメリカでは、1996年NRA(全米リアルター協会)のインターネット、リアルター・ドット・コムがスタートして一年も経たずに100万件を超える物件を掲載し全米の85%をカバーした。 主な特徴として 不動産業者が扱う物件のほとんどが乗っている。 不動産業者主体のネットワークがある。 住宅ローンや火災保険、リフォームなど幅広く掲載されていることだ。 日本でも、インターネット時代になっている現在、このようなより開かれた市場が求められています。あわせて、住宅の耐久性が低く、中古住宅の評価システムが確立されていないため「どんなに維持管理された住宅でも、築年数15年で建物の価値がつかない」ということが起きている。 商品として住宅を考えたとき、住宅の資産価値を長期にわたって維持管理し、その状態を記録し適切に表示・評価するシステムとその評価をふまえた上での価格査定が求められます。 日本と違ってアメリカでは中古住宅の評価基準として実質築年数を基準としていて、評価時と新築時との差を見て建物年数を評価している。つまり、建物を耐久構造物ととらえ、その維持管理に対する努力の結果を耐用年数に反映していく考え方です。 それに比べると日本は経過年数を基準としていて、木造住宅の場合、不動産売買においては10年、銀行評価は15年、減価償却では27年経てば評価はゼロとなってしまう。 こんなに短い期間で高い金額を出して建てた建物が維持管理をどのようにしようとも評価がつかないとなったらあなたはどうするだろうか。誰でも、余分な費用をかけ自分の力でよりよい状態を保つ努力がされるはずがない。どうせ、価値が無くなるのだから。 「手を加え、子供の成長と同じように住まいを育てる」といったことや「将来のありたい姿に計画を立てて造り替えていく」などといった工夫を求めることが無理になる。家を消耗品としないためにも、新築時には長寿命の住宅になるようにしっかりとした構造や将来の家族変化、または誰が住んでも希望の間取りにすることが出来る構造にしておく。 すでにある、中古住宅は構造上の問題、耐震性や耐久性、暑さ寒さに対する工夫、健康に対するきっちりとした配慮などと併せて、外観までも変更できるしっかりとした技術の確立が必要です。 再生可能な住宅を流通させる市場の創造と、これらの技術ができあがり新築では得られない時間をかけて育て作り上げる考えを持てれば、本当の意味で生活設計に負担をかけない住まいが持てることになります。勿論、自宅を売却してより広く便利なところに住み替えていくことも可能になるでしょう。 |
| 安い、簡単、早い・・・ ファーストフードのような家 2003/6/19 |
| 住宅はすでに600万戸も余っていて年々空き家が増加している。 土地神話は崩壊し、先の見えないデフレ経済の中、住宅を持つのに希望と同時に不安を感じない人はいないでしょう。少子高齢化とともに、世帯数も減り日本もヨーロッパのように成熟した社会になっていく中、新築偏重から賢い中古住宅の再利用が求められています。 新築住宅についても、これからは今まで以上に再生可能な構造体や間取りや設備の可変性ある住まい造りが必要になってきています。 しかし、このデフレ不況の中、世の中は住宅についてもローコスト住宅の会社が増加している。 その住宅の価値から見てローコストな住宅は誰しも望むところなのですが、現実は価格が安いだけのローコスト住宅をいかにも、価値ある家が企業努力で特別に安くなったように宣伝され、またしても、二十年しか持たない再生不可能な住宅の大量生産となるおそれがあります。 安い、簡単、早い・・・・・・これがすべての産業の低価格戦略に欠かせない要素。そして大量販売、大量生産のシステムを作る。しかし、始末の悪いことに敷地や建築上の規制、道路条件、気候など住宅に関してだけは全国一斉にとは行かないものです。 どんなに工場生産化を進めても最終工場である建設する土地で人手が加わって初めて完成します。建築業者としては、常々よりよいものをより安くできる工夫を求めることは当然と考えるし、むしろ積極的な努力をしていますが同じものを大量に仕入れ、賃金の安い職人が手間暇かけずに、早く仕上げていくことが出来ない限り、安くはならないのです。 それは、昔で言えばフォードシステム、今はマクドナルド化と言っても良いでしょう。高くて悪い住宅はあるが、安くて良い住宅は存在しない。こんな当たり前のことが、理解されないから相も変わらず二十年もするとゴミになるしかない住宅が建て売り住宅として、ローコスト住宅として売られ続けてしまう。 自然素材をはじめとして、本物の材料と本物の職人によりできあがった住宅は、例え築年数が経過しても、愛着を感じ結果として必要な住まいの手入れがされ、年月を重ねるにつれて家族の思い出とともに育っていく。 私がお会いするお客様の中にも、住まいについて「こういう家でこんな暮らしを」というのがわからない方が多い。システムキッチンについては感心するほど一生懸命、熱心に調べリクエストされるのだが、その割に「そこでどんな料理を造り、家族のこんな喜ぶ姿を見たい」のかがわからない。 すてきなキッチンにあこがれ、多額の費用をかけた目的がただ単に、飾りであったとしたら悲しいものだ。そんな人に限って不思議なことに、将来必ず誰でも遭遇する家族の成長や間取りの可変性の工夫などには興味を示さない場合が多い。 何を基準に住まいを選び、どんな暮らしをしたいのかが、住んでいる家からは見えてこない。建築する人の多くが、本当にその時点で完結する住宅を求める傾向がある。 その反面、基準を持たないため「ああだ、こうだと」いって全く違ったものを作っている会社同士で見積もりを取り、間取りは勿論 使われている設備の違いなど無視、最後はサービスを求め価格が絶対的な決め手になる場合が多い。それがある限り、ローコストからスタートして価格だけを魅力にした会社が繁盛することになる。そして、将来のゴミが大量生産されている。 本来、家は所有した時点から子供たちと同様手間暇かかるもの、ましてや地震が多く、道路の交通量も多い上、高温多湿の日本の気候。雨に打たれたと思えば焼き付くような夏の陽ざし、冬になれば凍るように寒い四季の繰り返しがある。 こんなに変化の激しい気候の中に立てられる住宅は、どんなに完璧に施工しても入居後の適切なメンテナンスなしではトラブルが発生してしまう。 世界最古の木造建築、法隆寺は1300年の時を経て現在に至っているが、そのために八十年ごとに、屋根の葺き替え、四百年に一度の大規模な改修工事と技術を持つ匠がいてその雄姿を見せているという。この建築物を後世に伝えていこうという意志がない限り、現在の法隆寺は存在しない。 住まいだって同じではないだろうか。「お宅で建てた家は何年持ちますか」などという前に、これから造る住まいを孫子の世代まで残したいという目的があって初めて、必要なメンテナンスや時には構造の補強修理などが出来ると思う。 そもそも、木は余分な湿度やシロアリにやられない限りそんなに腐るものではない。確かに、水回りと土台は交換が必要な時期が来るが、長持ちさせるという意志さえ明確なら、20年に一度程度の、大規模な修理は安いものだ。 最悪なのは、計画性を持たないまま外壁や内装設備をやり換えたあげく、20〜25年で建て替えること。せっかくかけた住宅のメンテナンス費用をドブに捨てる結果となるばかりか、莫大な借金が始まることになる。これでは、いつまでたっても資産にならないばかりではなく、豊かさを実感できないまま終わってしまう。 昔の人はよく言ったものです。「安物買いの銭失い」 小さな買い物は、それでも許されるだろうが、莫大な費用となる住宅は、この言葉を大切にしたいものですね。 |
| いよいよシックハウス法案実施 2003/6/28 |
| 世界初、こんな法案が七月から施工レベルで実行されました。建材の制限と機械換気を柱とするこの法案。いかに昨今の住宅環境が「住む人の健康を害していたか」の証明です。 それにもかかわらず、この法案に対して業者の理解が不足しているのではないでしょうか? 機械換気を設置した経験のある会社が5%しかない。これは5月にあったベターリビングの説明会会場での結果だ。あと、二ヶ月後には施工しなければならないにもかかわらず。今頃、換気の説明会に参加し「どこの換気システムを導入しようか」右往左往している。 ハッキリ言って、機械換気ひとつとっても、種類が多い。かりに機械換気を選んだとしても正常に作動させるための絶対条件をクリアしているのだろうか?まず、無理ではないだろうかと心配です。 「機械換気をつければ大丈夫ではないの?」という声が聞こえてきそうですが、予定の通りに必要な換気量を確保するには、住宅の気密性能が1.0cm2/u以下になっていなければ無理なのです。 計画換気は、その種類によって一長一短あり完全なものは正直ありません。どのような仕組みの家なのか、それによっても相性があるのではないでしょうか。 当社は、セントラルヒーティングの時は1種換気。床暖房と一部個別エアコンの時は3種換気を採用していますが、3種換気の熱ロスが結構あることが気になっていました。これも、データーを取ることによって得られた知識です。 今では、熱ロスを防ぐために湿度感応タイプの3種換気を使用しています。人がいる部屋を中心に換気をしていくシステムで、熱ロスも少なく換気が出来る大変優れているものです。 気密工事を今まで理解をしていない、やったことのない業者に明日からやれるかというと、私は出来ないと思います。目に見えない隙間を完全に近い状態でふさぐ工事は、簡単ではないのです。 なぜ、そこまで言えるかというと、私たちが6年にもわたり苦労してきた道のりだからです。気密は断熱工事や壁体内結露にも関連し、住宅の寿命にも影響を与えます。工事に携わる現場の人のレベルにまで、しっかりとした理解と経験が求められる問題といって良いでしょう。 「さあ、今日からこうするぞ」 理由もわからず、やったこともないことをやれと言っても現場は動く訳がありません。 にもかかわらず、お墨付きを得た建材を使うから、計画換気はつけてあるから、健康住宅です。こんな業者の声が聞こえてきそうですが、注意して下さい。 善し悪しを見分ける質問は、「いつから計画換気をつけていますか? 気密レベルはいくつですか?」 これに、答えることが出来る業者を見つけて下さい。法案に関係なく、良心的に工事をやってきた証でもあり、勉強熱心だった証でもあります。そんな人に巡り会えれば、8割以上安心してお任せできることでしょう。 |