↓下に行くほど新しくなります。

健康住宅にはランクがある   2003/5/5

今年の7月より 病気になる家が法律で規制され、健康に害を及ばさないために内装材の使用制限が始まる。

「危ない仕上げ材だから、ここまでしか使えない」「計画換気をつける」ただそれだけの法律なのに。これらの制限の範囲に適合した住宅を、ほとんどの会社が「健康住宅」というのだろう。

別にダメといっているわけじゃ無いよ。ほとんど野放しだったことから比べれば一歩前進 ということかな。でも、この法律によって国が明確に「健康を害する仕上げ素材だ」と認定したことでもあるわけで、本来使わないのに越したことはない。だって、安全な範囲ということだって、健康な大人を基準に定めたもので、けっして乳幼児やお年寄りを対象にした安全基準ではないからだ。だから、計画換気をつけて万一のことがないようにしようと言うことだろうけど本質的なことを忘れている。

計画換気が、国の定めたように換気機能を発揮するためには、空気の取り入れ口と排気口をつけるだけではないのだ。ストローで飲み物を飲むときのことを考えてみるとわかるが、ストローに少しでもヒビ割れがあったら中の液体は吸い込むことが出来ない。換気だって家に隙間があっては換気装置は正常に作動しないことを理解しているのだろうか。

隙間面積(C値)は、住まいの気密性能を表す数値だが、この数値が1cu/u以下になって初めて換気能力が発揮される。「計画換気標準装備」そんな広告を最近よく見かけるがつけていても機能を満たさない住宅性能では、換気システムをつけないのと同じだ。これが、今一般的にいわれる健康住宅の実態ではないだろうか。

百歩、いや 千歩譲って、それでも良いとしても、建築とは器を作っておしまいではないはず・・・。
その住まいで、人の生活が営まれてこそ初めて住居であるわけで、生活のために必要な日常使用される家具や小物、洗剤などはシックハウス法案の対象にはなっていない。これら有害物質に囲まれている現代の生活にあっては、「ただ単に危ない住宅ではありませんよ」と言うだけでは、「箱としては安全にしましたが後は知りません」というのに等しい。

生活しながら避けて通ることが難しい危険物質を建物そのものが、排除し、軽減してくれて、 その住まいに住むことによって健康を増進できたときにはじめて本物の健康住宅といえるだろう。


コインの裏と表のように、内装建材にシックハウスの大きな原因がある、それは、人間に一番近いところで使われ、昼も夜もその中で生活しているのだから当然といえば当然のことだ。そのうえ、絶対的に使われている面積が多いのだ。「微量といえども長い間には健康に影響を与える」ということは、逆に健康によいとされる本物の健康素材を使用すれば薬や健康食品を飲むことなどに比べて無意識のうちに簡単に健康のプラスになるということではないだろうか。
これから考え、研究したい課題です。

ここで言っているのは、有害物質が原因で病気になる家を防ぎ体の健康にするための話で、心の健康はまた別問題である。住まいと心の健康については別の機会に書いてみたい。


本物の健康住宅は簡単ではない。   2003/5/9

現在の健康住宅建築において、大手メーカーで制作しているようなカタログや写真などを全く使わないことは、建築業者の立場で言うと想像以上に難しいことです。まず一つには、お客様自身が日常的に目に触れ、テレビなどの映像をとおしてすでに当たり前のように認識している素材ではないため、理解することが出来ないと言うことがあります。

そして、言葉で説明され実物を見ても、新建材のようにカタログ通りに出来るのと違って実際に目にしたサンプルと同じようにはならない場合があります。施工の問題は「工事が簡単に誰でも一定のレベルで仕上がる」そんな便利で安い新建材と違い、価格的にも、施工の人件費も、技術も要求されそれぞれの仕事をこなす職人たちが、次の行程を受け持つ職人の仕事を進めやすくしてあげる配慮が要求されてしまうのです。

わかりやすい例は、
ビニールクロスとドライウォールペイントの違いです

新建材の代表であるビニールクロスは、素材としての施工性の良さもありますが、なんと言っても素材自体が持っている厚みが、最終仕上げとして建築工事そのもの仕上がりの均一性とスピード化に大きく貢献しています。大工が下地としてビニールクロスの下に張る石膏ボードの少々のデコボコや小さいボードの切り貼りによる継ぎ目の複雑さなど、そして大工職の手抜きまでも綺麗にお化粧仕上げをしてしまいます。良い仕上げ職人とは、前の仕事のアラを隠す職人といわれるのも当然といえますね。
一方、ドライウォールは石膏ボードに継ぎ目を少なくするために、半端なボードや余ったボードを使うことは出来ませんし、大工の丁寧な仕事無くしては成り立ちません。仕上げそのものが、自然素材の塗料が中心のため厚みが無く、仕上がりを決定するのはボードのジョイント部を何度も丁寧に平滑に仕上げる下地造りにかかっているからです。厚化粧で隠すのと、自然な化粧との差ともいえます。


自然素材の塗料であれば乾燥が遅く、その日の内に何度も塗装することは出来ないため、通常一日で終わる作業も、二日、三日とかかることになります。
考えてみると、結構面倒なことですし、仕上げも自然素材特有のバラツキもあるのです。

当然、こんな価格も高く、手間もかかり、バラツキ、前後の職人の連携と本物の腕を要求されるわけですから、大手メーカーのようにより均質で生産性を求める会社に向くわけはありません。これらの本物の仕上げは本来、地元に密着して誠実にそして、ヤミクモに数を追わない工務店がやるべき仕事なのですが、多くは大手メーカー同様、カタログから選べる新建材をお客様に勧めています。私たちも、ビニールクロスひとつ、廃止するのにはこれらの問題と、協力してくれていた新建材問屋や内装仕上げ職人との関係を見直すことが必要になったのです。お客様に対する十分すぎるほどの説明責任や、施工上、解決しなければならない仕組みや職人の問題など本物を目指すためには、クリアしなければならないことばかりですから「この建物は健康住宅です」とは簡単にいかないのが実情ですが、そんな問題を解決することがシックハウスからの脱皮する第一歩となります。

次回は具体的な内装仕上げ材について


水性塗料の壁材・・・ ホタテパウダー   2003/5/10

これって、優れた内装仕上げ材なんだけど、その前に廃棄物であるホタテ貝殻の有効利用でもあったのです。北海道、東北地方で産出されるホタテ貝はこの地方の産業である反面、年間21万トンにも上るホタテの貝殻が廃棄され環境問題ともなっているのです。
これらのホタテの貝殻を粉砕、高温で焼成した貝殻粉末を原料としたのがホタテパウダー、天然素材であり、消臭、吸放湿性、抗菌性、防火性、化学物質低減作用に優れています。


天然素材
原料は100%天然素材で、有害物質はいっさい含みません。

化学物質低減作用
空気中に拡散された、家具や生活用品から発生した有害物質を吸着除去します。
建物の下地合板やビニールクロスなどの上に塗布すると放出される化学物質を封じ込めます。さらに、これらの建材を廃棄物として処理するときに、焼成してもダイオキシンの発生を低減します。


消臭性能
タバコの臭いやペットの臭い、各家庭特有の生活臭の消臭に強力な効果を発揮します。ホタテパウダーは強アルカリ性なので酸性の臭い、特にタバコの煙を吸着除去します。それによる黄ばみもありません。

吸放湿性能
多孔質なので吸放湿性に優れ、通気性と併せて室内の結露防止と保湿の効果があります。

抗菌性
天然素材の持つ高い抗菌性を保ちながら、カビ、ダニの発生も防ぎます。

安全性
新建材のもう一つの危険性として火災時の有毒ガスの発生があります。
火事における死亡事故の多くは、火によるものではなく有毒ガスによる事故なのですが、内装のほとんどに新建材が使用されている家は、それだけでリスクに囲まれた家ではないでしょうか。おすすめは出来ませんが、ほんの3センチ四方のビニールクロスにライターで火をつけると真っ黒な煙を発生します。この煙が有毒で命を奪う結果を招いています。
ホタテパウダー(カルシウムペイント)は不燃性の表面試験に適合しました。

青森県庁やホテルニューオオタニ、横浜国立大学、横浜南部病院など公共性の高い建物に多く採用されているだけでなく、私どもでも、山田こどもクリニックをはじめとして家族の健康に関心を持つお客様のほとんどが、採用しています。
リフォームやメンテナンスも簡単で、家庭で出来るため後々の費用もかからないメリットもあります。現在ビニールクロスで造られている住宅でも、その上にホタテパウダーを塗装することで健康的な空間に変身できます。
ただ、健康に害がないというだけでは本物の素材とはいえない時代ではないでしょうか。


水はタダでは生活できないの?   2003/5/11

今回は生活用水についての話

世界的に見て日本の水は硬度が低く、いわゆるおいしい水を先祖代々飲み続けてきたわけですが、最近ミネラルウォーターの消費は確実に増加しています。その最大の原因は水道源水の汚染が進み、地下水や水道水の水質が悪化したことにあります。そういえば、日本はいつから、飲み水を買うようになったのだろうか。昔々、サントリーバーなどというのがあって水割りには、ミネラルウォーターの小瓶の水を入れたりしたが、実は目の前で瓶の栓を抜いてくれても本当は水道の水ではなどと思ったものだ。
正直に言うと、水の味も変わった、美味いなどと敏感に感じることはなかった。
味覚が鈍いのと当時の水道水がうまかったのかもしれない。

我が家も新築後二十年、それこそ中古住宅になり五年か六年ぐらい前から、温水を使うと真っ赤なお湯が出て何度も温水器の洗浄をしたがこの赤水現象は無くならない。風呂は栃木・日光のお風呂のように赤く濁ってしまい、気持ちが悪いし、飲み水にはとても使えそうにないため、今回電気温水器を交換することになった。
まあ、二十年から活躍してくれたのだから立派にお役目を果たしたわけだ。

しかし、温水器を交換しても水道管のなかにさびが出ているからこの問題は解決したことにはならないわけで、赤水を止める方法を工夫しなければならない。
当社では、新築時の水道や温水配管は、赤水と環境ホルモンを防ぐためすべてステンレス配管にしているが、水道水そのものが改善されるわけではない。
我が家のように既存の配管をそのままにして、赤水を止めるためには水道に元付けで使える活水器が必要だった。いろいろ調べる中で、最適と思えるタイプに巡り会い、取り付けてみた。なんと一ヶ月もしないうちに赤水が無くなり塩素の臭いまでなくなるではないか。
飲み水だけは、ミネラルウォーターですむかもしれないが炊事洗濯や洗面風呂など生活に使う水は、改善されているわけではない。
家庭で使う水のすべてが、改善できるわけだから多少の価格は我慢できる。なによりも自分の体験は価値があるわけで今ではお客様にお勧めして喜ばれています。

命の水、生活に欠かすことの出来ない水だからこそ、大切にしたいものです。
そして、ガソリンよりも高額なペットボトルから「さようなら」したいものですね。


リフォーム番組を見て思うこと   2003/5/15

最近のテレビは、リフォーム番組が多くなったよね。

古い家や、狭くて使いにくい住まいを匠たちの工夫で劇的に変え、最後は涙を出して感激する。そんなパターンが定着したようで、見ている方も、楽しめる番組ですが・・・・・・本当にあの価格でリフォーム出来るのかというと、匠たちに支払う設計料やデザイン料は別となっているため実際に出来た予算ではないのが気に掛かります。私は、あの値段では不可能と思っている。
それとは別に気になるのが、テレビ映像的に改善されたのは良いのだけれど、
現実として構造について十分な検証や工事がされているのか、屋根を取り払って明かりを導入する手段が圧倒的に多いけど、それはそれとして暑さ、寒さに対して配慮がされているのか現実に住み続ける上で、住みにくくないのかなど、疑問点がいっぱいある。

収納にしても、家中を棚や収納だらけにしているが、その前にいい機会だから、ものの整理や破棄をして余分なものを持ち込まない生活の工夫が必要だと思う。今すぐ使わないものを山のように抱え込んで生活している。
それ自体を誰もおかしいと思わない。それよりも「もっと収納を増やしましょう」などと、リフォームの匠がこのようなメディアを通じて呼びかけると、それをありがたいと思って飛びついてしまう。
はっきりいって収納を作るのも、費用がかかるもの。
一坪当たり五十万円のスペースにわずか、五、六万円の物(時にはいつしかゴミになるものまで)を収納して、残された狭いスペースで生活している。
誤解がないように言っておきますが、私は別に収納はいらないと言っているわけではない。細々とした収納を作る前に不要な生活用品をまず整理しましょうと言っているわけです。新しい生活が始まるわけだから、なにか買う前に、本当にいるものなのかどうか考えることも、もう一度考えてみたらどうだろう。

一時期、やはりテレビで放送された世界中の様々な住宅で家の中にある物をすべて外に出して、家財の量を比べる番組があった。
当然なことだけど、狭い住宅なのに圧倒的に日本の家庭はものが多い。
便利なもの、これから使うことがないものまで、細々と収納されている。
安いから、便利だからと衝動的にものを買うのではなく、慎重に購入して
長く使い続ける。ひとつのものを使い続けることは、ゴミを出さない、資源を大切にすることにもつながる。
何が、どこに、収納されているかどうかもわからない住宅は、どんなに収納を増やしても快適な生活につながらない気がするのだが。
これからも多くのリフォーム番組が放送される。ちょっと視点を変えて番組を見てはどうだろうか。


「もし」○○○だとしたら・・・   2003/5/16
昔、といっても私が生まれ育った頃だからそんなに昔ではないかもしれないが、大家族で生活していた頃は、3世帯が同じ住宅に住むなんてのは当たり前で子供部屋なんて名前の部屋はなかった。
勉強は、片隅のテーブル、時にはミカン箱が勉強スペースになり、夜になるとそこは寝室でもあったのです。
でも、今は住宅の間取りや規模を表すのに4LDKなどと部屋数と明確な目的の部屋を表示する時代だ。
居住する人数は減っているのに、部屋数だけ増えている。

打ち合わせの時に要望を当然聞くわけですが、将来あるであろう可能性を前もって織り込んでおこうとする人が多い。それは、一面正しい選択ではあるのだが、「もしも、子供が増えたら」「もしも、急に両親や親戚がきたら」などという「if」のために普段使えるはずの空間を使わず個室として死に部屋にしてしまう。昔の農家や和風の作りの定番であった、広縁を持った和室の続き部屋と応接間と称するスペースが形を変えて現在も生き続けているのだろうか。

男の人が望むのは書斎。パソコンが家に当たり前の時代になったためか、今まで以上に多くのリクエストがあるが、多くの場合使われるのは最初の内だけ、いつの間にか物置に変わってしまう。
だからといって 無駄といっているつもりはない。

当たり前かもしれないが、人の生活パターンを変えることはなかなか出来ないもので、住まいが大きくなっても間取りが変わってもこのパターンは踏襲されているようです。私は、こんな質問をすることがあります。
「朝起きたとき、パジャマをどこでスーツに着替えますか?
それは寝室ですか?
だとしたら、着替えてから食堂やリビングに降りるのですか?
会社から帰ってから着替えはどこでどのようにしていますか?
それは、普段着に替えるのですか、それとも直接パジャマにするのですか?」
毎日の行動パターンは、知らず知らずのうち生活を決めているのです。
せっかく家を建てるのだから新しい生活スタイルに変えたい。
そんな要望もたくさんありますが、「いつのまにか元通り」というケースが多い。

間取りの中で、新しく夢がふくらみ将来を予測するところまではいいのですが
それこそ「もし」使わなくなったときのことも考えておきたいものです。
「限られた予算を有効に生かす」それも建築に求められる大切なことだからこそ、一度は立ち止まって「もし」の意味を考えたいですね。